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今回は2022年2月に発売されたステルスドライバーを紹介していきます。
ステルスドライバーは3種類を発売。
- ステルスプラスドライバー:スライド式ウェイトを搭載した低スピン仕様
- ステルスドライバー:ヘッド後方のバックウェイト周辺を重くすることで低・深重心化
- ステルスHDドライバー:重量設計をヒール側に設置するドローバイアス設計
ステルスドライバーはヘッド後方にウェイトを付けることで低・深重心化を実現し、寛容性を向上しているドライバーとなっています。
カーボンフェース採用によりフェース面が大きくなっていることもあり、前作のSIM2 MAXよりも寛容性がアップしているのを試打結果から感じました。
平均点が高く満足できるドライバーに仕上がってます。
結論、飛距離・寛容性・方向性が欲しいという方におすすめできるドライバーです。
対象ユーザーとしては初心者~中級者~上級者と万人向きのドライバーとなっていますが、ヘッドスピードが平均的な中級者に一番合うドライバーとなっています。
ステルスドライバーのスペック・試打・評価結果を見て参考にしてみてください。
<ステルスドライバーの評価>
シャフト | HS 35m/s~ | HS 40m/s~ | HS 45m/s~ |
標準 | |||
カスタム |
- 低・深重心化で寛容性が高い
- フェース面が広くスイートスポットが広い
- 安定した方向性
- 構えた時にカーボンフェースの赤色が気になる
- 価格が高い
詳細情報
TENSEI RED TM50 (’22) | Tour AD UB-6 | SPEEDER NX 60 | Diamana PD 60 | |
ヘッド体積(㎤<㏄>) | 460 | 460 | 460 | 460 |
ライ角(°) | 56 | 56 | 56 | 56 |
ロフト角(°) | 9/10.5 | 9/10.5 | 9/10.5 | 9/10.5 |
長さ(インチ) | 45.75 | 45.25 | 45.25 | 45.25 |
フレックス | S/SR/R | S | S | S |
クラブ重量(g) | 302/300/297 | 約314 | 約312 | 約314 |
シャフト重量(g) | 57/55/52 | 65 | 64 | 65 |
トルク | 4.3/4.7/5.0 | 3.2 | 3.7 | 3.3 |
バランス | D3.0/D3.0/D2.5 | D3.0 | D2.5 | D3.0 |
キックポイント | 中 | 中 | 中 | 中元 |
シャフト | HS 35m/s~ | HS 40m/s~ | HS 45m/s~ |
標準 | |||
カスタム |
ロフトは9度と10.5度が用意されており、ステルス・プラス・HD共にカチャカチャ機能が付いているので自由に変更することが可能です。
画像はSIM仕様ですがステルスも同じでロフト角が±2°、ライ角が+4°、フェース角が±4°変更可能となっています。
シャフトはTENSEI RED TM50 (’22)とTour AD UB-6、SPEEDER NX 60、Diamana PD 60が用意されています。
グリップはLamkin Crossline 360 Black/Red CP (径60/42g) (径60/47.5g)が標準設定です。
テクノロジー
60層のカーボンフェース
大きく変わったのがこの「60層のカーボンフェース」です。
カーボンを使用することでチタンと比べ軽量化に成功。SIMドライバーと比べてフェース面積を20%拡大させることができ、より寛容性が高いドライバーに仕上がっています。
また、エネルギー伝達の向上によりボール初速が高まり、高い飛距離性能を実現しています。
高慣性モーメント化
「60層のカーボンフェース」によりヘッドを軽量化し、発生した余剰重量をヘッド後方に配置することで低・深重心化を実現し、寛容性を向上。
ナノテクスチャーPUカバー
フェース全面にナノレベルの精巧なポリマーコーティング(PU)を施すことにより、最適なスピン量でより遠くに飛ばすことが可能となっています。
イナーシャ ジェネレーター
ヘッド後方に重いウェイトを設置した「イナーシャ ジェネレーター」が寛容性向上を実現しています。
貫通型スピードポケット
テーラーメイド独自の貫通型スピードポケットにより、フェース下部で打っても無駄なスピンを抑えてボール初速を維持できます。
フェース(顔)
ステルスドライバーはスクエアフェースなので、ターゲットを狙いやすく構えやすいヘッドです。
ドライバーのフェース角度が気になる方は、カチャカチャを利用してクローズ・スクエア・オープンフェースにしましょう。
投影面積(ヘッドの大きさ)
ステルスドライバーの投影面積は、小さくもなく大きくもなくちょうど良い見た目で構えやすいです。
ヘッド上部のフェース側にマット色のラインがあるので、ターゲットに構えやすくなっています。
ロフト角の選び方
ドライバーの標準ロフト角は9度、10.5度が一般的です。
ロフト角 | 9度 | 10.5度 |
バックスピン量 | 少ない | 多い |
サイドスピン量 | 多い | 少ない |
弾道 | 低い | 高い |
つかまり | 悪い | 良い |
適正HS | 速い | 普通・遅い |
9度と10.5度のロフト角の違いによるメリット・デメリットは以下となります。
<ロフト角9度>
- バックスピン量が少ない
- 低弾道
- 左方向へのミスに強い
- サイドスピンが多くなり曲がり幅が大きくなる
- つかまりが悪い
- ヘッドスピードが速くないと球が上がらない
ロフト9度は、ある程度ヘッドスピードがないと使いこなすことは難しいです。
<ロフト角10.5度>
- つかまりが良い
- バックスピン量が多くなりサイトスピン量が減る
- 左右の曲がり幅が減る
- 高弾道
- 右方向へのミスに強い
- ヘッドスピードが速いとバックスピン量が増え球が吹き上がる
ロフト角が大きいほどつかまりが良くやさしいドライバーといえます。
SIMグローレドライバーは11.5度まで用意されているので、自身のヘッドスピードに応じてロフト角を選びましょう。
ヘッドスピード別で分けると以下になります。
HS | ロフト角 |
45m/s~ | 9度~10.5度 |
40m/s~45m/s | 10.5度~11.5度 |
35m/s~40m/s | 11.5度~13度 |
~35m/s | 13度~15度 |
現在のドライバーはカチャカチャでロフト角・ライ角等を調整できるドライバーがほとんどなので、まずは10.5度を試して調整していくのがおすすめです。
クラブ重量の選び方
ゴルフクラブのセッティングで重要になってくるのがクラブの重量フローです。基本的な選び方として以下の表を参考にしてください。
※表のヘッドスピードはドライバーを振った時のヘッドスピードです
推奨HS | ドライバー | FW | UT | アイアン | ウェッジ |
~35m/s | 40g~ | 40g~50g | 60g~ | 75g~ | 75g~85g |
35m/s~ | 45g~ | 45g~50g | 65g~ | 80g~ | 80g~90g |
40m/s~ | 50g~ | 50g~60g | 70g~ | 90g~ | 90g~100g |
45m/s~ | 60g~ | 60g~70g | 80g~ | 100g~ | 100g~110g |
50m/s~ | 70g~ | 70g~80g | 90g~ | 110g~ | 110g~120g |
ドライバーが一番軽く、フェアウェイウッド→ユーティリティ→アイアン→ウェッジと重くなるセッティングが理想です。
ステルスドライバーのシャフトで選ぶと以下になります。
シャフト | 硬さ | 重量 | 対象HS |
TENSEI RED TM50 (’22) | S/SR/R | 50g台 | 35m/s ~44m/s |
Tour AD UB-6 | S | 60g台 | 45m/s~ |
SPEEDER NX 60 | S | 60g台 | 45m/s~ |
Diamana PD 60 | S | 60g台 | 45m/s~ |
クラブの硬さの選び方
クラブの硬さは重量で選ぶと選びやすいです。
- ヘッドスピード35m/s~:シャフト重量45gに近いシャフトの硬さ
- ヘッドスピード40m/s~:シャフト重量50gに近いシャフトの硬さ
- ヘッドスピード45m/s~:シャフト重量60gに近いシャフトの硬さ
まずはカタログスペックのシャフト重量を確認して、シャフトの硬さを選ぶのがおすすめです。
自身のヘッドスピードを計測→重量→硬さを選ぶような流れで決めていきましょう。
ステルスドライバーのシャフトで選ぶと以下になります。
HS | シャフト | 硬さ | 重量 |
35m/s~ | TENSEI RED TM50 (’22) | R | 52g |
40m/s~ | TENSEI RED TM50 (’22) | SR/S | 55g/57g |
45m/s~ | Tour AD UB-6 SPEEDER NX 60 Diamana PD 60 | S | 60g台 |
標準シャフトのR/SR/Sだと数グラムずつしか変わらないので、実際に試打するのがおすすめですが、試打ができない場合は、現在使用しているドライバーの硬さと比較して選びましょう。
トルクの選び方
トルクはクラブの「ねじれ」を意味しており、値が大きいほどねじれやすく、値が小さいほどねじれにくいシャフトとなります。
トルクが大きいクラブはクラブのフェースターンが増えて自然とボールがつかまりやすくなるので、初心者の方やスライスに悩んでいる方におすすめです。
一方、トルクが小さいクラブはフェースターンが少ないので、ドローやスライスなど球筋を打ち分けたい方、ヘッドスピードが速い方などのハードヒッターにおすすめです。
ステルスドライバーのシャフトのトルク値で比較すると以下になります。
シャフト | トルク | HS | トップ のタメ | つかまり | フック改善 | スライス改善 | 操作性 |
TENSEI SILVER TM50 (’22) | 3.9/4.3/4.7 | 遅い 普通 | 強 | ||||
Tour AD UB-6 | 3.2 | 速い | 弱 | ||||
SPEEDER NX 60 | 3.7 | 速い | 弱 | ||||
Diamana PD 60 | 3.3 | 普通 | 中 |
クラブの調子・バランスの選び方
シャフトの調子(キックポイント)は大きく分けて先調子・中調子・元調子の3種類あります。
つかまりが良く飛距離が欲しい方は先調子、操作性が欲しい方は元調子、平均的な機能が欲しい方は中調子がおすすめです。
また、スライスに悩んでいる方(右方向へのミス)は先調子、ドローに悩んでいる方(左方向へのミス)は元調子といった選び方もあります。
調子 | キック ポイント | つかまり | 飛距離 | 弾道の 高さ | 操作性 |
先調子 | 先端 | ||||
中調子 | 中央 | ||||
元調子 | 手元 |
- 先調子:インパクト時にヘッドが走るので球がつかまり飛距離が一番でやすく高弾道になりやすい。
- 中調子:先調子と元調子の中間性能。安定感があり万人向けの万能調子。
- 元調子:スイングの切り返し時にタメが作りやすく、インパクト時にヘッドのしなりが少ないので操作性が高い。
TENSEI RED TM50 (’22)、Tour AD UB-6、SPEEDER NX 60が中、Diamana PD 60が中元となっているので、安定感がある万人向けのシャフトといえます。
バランスは、クラブをスイングをした際のヘッドの重さの感じ方を数値化したものです。
C5 | C4 | C3 | C2 | C1 | D0 | D1 | D2 | D3 | D4 | D5 |
C5がスイングした時に一番軽く、D5が一番重く感じます。各クラブのバランスがバラバラだと振り心地が異なるので、理想はドライバーからアイアンまで同じバランス値にすることです。
バランスが軽いほど重く感じないのでスイングを速くできる一方、スイングがゆっくりの方はクラブの重さを感じにくいのでスイングしづらくなることもあります。また、軽いと手打ちになりやすい弊害もあるので軽すぎるのも注意が必要です。
ステルスドライバーはD2.5~D3.0となっているので、ステルスプラスドライバーよりも軽く振りやすいバランスとなっています。
D0~D1のようにもっと軽くスイングをしたい方は近くのゴルフショップに持ち込むと調整してくれるのでおすすめです。
ステルスシリーズのドライバーは3種類用意されており、スペック・シャフトから以下のように分けて選ぶことができます。
- ステルスHDドライバー:初心者向け・ヘッドスピード遅め(35m/s~)・スライス改善・つかまりを良くしたい
- ステルスドライバー:中級者向け・ヘッドスピード普通(40ms~)・方向性改善・低重心、深重心で寛容性が高い
- ステルスプラスドライバー:上級者向け・ヘッドスピード速い(43m/s以上)・低スピンで飛ばしたい・ウェイトで球筋調整
重量的にもステルスHDドライバー<ステルスドライバー<ステルスプラスドライバーと重くなっているので、上級者向けになるほどヘッドスピードが速く叩けないと扱いにくいです。
自身のヘッドスピードや体力(体幹や握力等)、ドライバーの悩み(スライス・ドロー・引っ掛け等)からステルスシリーズのドライバーを選ぶのをおすすめします。
ステルスドライバーの飛距離の目安が以下の表になります。あくまでも計算上の飛距離なので参考程度にしてください。
自身のドライバー飛距離またはヘッドスピードに合った欄が想定飛距離となります。
※飛距離はキャリー計算となります
HS | 想定飛距離 |
HS47m/s | 260ヤード |
HS43m/s | 240ヤード |
HS40m/s | 220ヤード |
HS36m/s | 200ヤード |
- ステルスドライバー(ロフト10.5度)
- TENSEI RED TM50 (’22)(シャフトS)
- ユピテルのゴルフスイングトレーナー「GST-7BLE」を使用して計測
- 飛距離はキャリー計算
- 練習場のレンジボールを使用
- 打者スペック(身長178cm/78kg/握力右55kg左60kg)
複数試打した平均値の結果となります。
ステルスプラスドライバーほどではないですが、スピン量が少なく吹き上げるような球はなかったです。
ステルスプラスドライバーよりも軽く振りやすく、スイートスポットも広いので安定して飛んでくれます。
一番驚いたのは寛容性よりも方向性の高さです。
曲がり幅が少なく左右に大きく散らばるような球が出ないので、フェアウェイキープ率を上げることができますね。
カーボンフェースの赤色がチラッと構えた時に見えて気になりますが、何回か打ってくると慣れるのでそこまで問題はないです。
操作性も問題なく、打感も柔らかいのでチタンとの違いが感じられませんでした。
飛距離【4.5】
ステルスプラスドライバーほどではないですが、球の吹き上げもなく飛んでくれます。
飛距離と方向性を合わせるとステルスドライバーに軍配が上がりますね。
寛容性【4.5】
フェース面が広くなっていることもあり、ミスショットにも強く寛容性は高いと感じました。
低・深重心化のおかげか、打点が少しズレても安定した弾道で飛んでくれます。
操作性【4.0】
ドロー、フェードと操作できます。
構えやすさ【4.5】
赤色のフェースが球に集中させてくれる感じがして構えやすかったです。
カーボンフェースの赤色が気になる方は構えにくいと感じるかもしれません。
つかまり【4.5】
つかまりは良いですね。
カチャカチャでロフト角、ライ角をいじると、よりつかまりが良いドライバーに仕上がります。
打感【4.5】
チタンより柔らかく感じ打感は良いです。
- カーボンフェースを試したい方
- 打点が少しズレても安定した飛距離を飛ばしたい方
- 方向性を良くしてフェアウェイキープ率を上げたい方
- 低スピンでより遠くに飛ばしたい方
- 打感を重視したい方
シャフト | HS 35m/s~ | HS 40m/s~ | HS 45m/s~ |
標準 | |||
カスタム |
- 低・深重心化で寛容性が高い
- フェース面が広くスイートスポットが広い
- 安定した方向性
- 構えた時にカーボンフェースの赤色が気になる
- 価格が高い
一般アマチュアゴルファーの方に一番おすすめしたいのがこのステルスドライバーですね。
飛距離性能もあり寛容性が高く方向性も良いドライバーに仕上がってます。
とにかく飛距離が欲しい方はステルスプラスドライバーですが、平均点が高く満足できるドライバーはステルスドライバーです。
ただし、シャフトだけはきちんと自分のヘッドスピードに合ったものを選ばないと、期待した結果を得られなくなるので注意してください。
特にTENSEI RED TM50 (’22)は軽く柔らかいので注意が必要です。
価格が高くなってしまいますが、ヘッドスピードが速い方はTour AD UB-6等のカスタムシャフトを選ぶのをおすすめします。
まずはこのステルスドライバーを試打してみて、足りない部分があればプラス、HDを選択肢に入れるのがおすすめですね。