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今回は2021年2月発売のテーラーメイドSIM2MAXアイアンの紹介をしていきます。
大きな変更点がポケットキャビティから「キャップバックデザイン」による中空となったことです。
テーラーメイドの中空アイアンといえば人気のP770とP790があるので、今後はこの「中空」を軸に商品展開していくかもしれませんね。
バックフェースデザインは大きく変わりましたが、上からの見た目やネック部分、構えた感じはそこまで変化は感じませんでした。m4、m6、SIMMAXや他社の飛び系アイアンから問題なく移行しやすいデザインです。
結論、初心者から飛距離が落ちてきた中級者向けにピッタリのアイアンでした。m4、m6、SIMMAXとこの層のゴルファーにピッタリハマる素晴らしいアイアンを毎年作ってきますね。
寛容性・安定性は申し分ないです。今回のSIM2MAXアイアンは飛距離性能と直進性が前作より進化したイメージでした。
SIM2MAXアイアンのスペック・試打・評価結果を見て参考にしてみてください。
<SIM2MAXアイアンの評価>
シャフト | HS 35m/s~ | HS 40m/s~ | HS 45m/s~ |
TENSEI BLUE TM60 (’21) | |||
KBS MAX MT85 JP |
- 高弾道で飛ぶ
- 寛容性が高くスイートスポットが広い
- ミスショットを助けてくれる
- スピン量が少ない
- ドロー、フェードと操作するのが難しい
詳細情報
TENSEI BLUE TM60 (’21) | TENSEI BLUE TM60 (’21) | KBS MAX MT85 JP | KBS MAX MT85 JP | |
クラブ重量(g)※5I | 361 | 356 | 397 | 395 |
クラブ重量(g)※7I | 374 | 369 | 409 | 407 |
シャフト重量(g) | 59 | 54 | 93 | 91 |
硬さ | S | R | S | R |
調子 | 中 | 中 | 先中 | 先中 |
バランス | D0/D1(AW/)D2(SW) | D0/D1(AW/)D2(SW) | D1/D2(AW/)D3(SW) | D1/D2(AW/)D3(SW) |
トルク | 2.9 | 3.1 | 1.8 | 1.9 |
番手 | 5I | 6I | 7I | 8I | 9I | PW | AW | SW |
ロフト角(°) | 21.5 | 25 | 28.5 | 32.5 | 38 | 43.5 | 49 | 54 |
ライ角(°) | 62 | 62.5 | 63 | 63.5 | 64 | 64.5 | 64.5 | 64.5 |
長さ(インチ) | 38.5 | 37.875 | 37.25 | 36.75 | 36.25 | 35.75 | 35.5 | 35.25 |
シャフト | HS 35m/s~ | HS 40m/s~ | HS 45m/s~ |
TENSEI BLUE TM60 (’21) | |||
KBS MAX MT85 JP |
SIM2MAXアイアンの7Iのロフト角は28.5度でロフトが立っている飛び系アイアンです。前作のSIMMAXと同じロフトとなっています。
テーラーメイドの初心者~中級者向けクラブでは、毎年ほぼ同じロフトなのでユーザーにとって最適解なロフトといえます。
クラブの長さとライ角はほぼ変更ないので、M4、M6、SIMMAXから移行しても同じ感覚で打つことが可能です。
モデル | 3I | 4I | 5I | 6I | 7I | 8I | 9I | PW | AW | SW |
P7MB | 21 | 24 | 27 | 31 | 35 | 39 | 43 | 47 | – | – |
P7MC | 20 | 23 | 26 | 30 | 34 | 38 | 42.5 | 47 | – | – |
P790(2021) | 19 | 21 | 23.5 | 26.5 | 30.5 | 35 | 40 | 45 | – | – |
P770(2020) | 19.5 | 22.5 | 25.5 | 29 | 33 | 37 | 41.5 | 46 | – | – |
ステルス | – | – | 21 | 24 | 28 | 32 | 37 | 43 | 49 | 54 |
SIM2MAX | – | – | 21.5 | 25 | 28.5 | 32.5 | 38 | 43.5 | 49 | 54 |
SIM2MAXOS | – | – | 19 | 22.5 | 25.5 | 30.5 | 35.5 | 41 | 47 | 53 |
SIMMAX | – | 19 | 21.5 | 25 | 28.5 | 32.5 | 38 | 43 | 49 | 54 |
SIMMAXOS | – | 17 | 19 | 22.5 | 26 | 30.5 | 35.5 | 41 | 47 | 53 |
SIMグローレ | – | – | 21 | 24 | 27 | 31.5 | 36 | 41 | 47 | 54 |
M6 | – | 19 | 21.5 | 25 | 28.5 | 33 | 38 | 43.5 | 49 | 54 |
M4 | – | – | 21.5 | 25 | 28.5 | 33 | 38 | 43.5 | 49 | 54 |
シャフトはカーボンのTENSEI BLUE TM60 (’21)、スチールのKBS MAX MT85 JP、2本がラインナップされています。
どちらのメーカーもM6アイアンから採用されており、ヘッドに合ったおすすめのシャフトです。初心者から中級者まで幅広いゴルファーにフィットします。
グリップはゴルフプライドのツアーベルベット360が標準設定されています。
テクノロジー
キャップバックデザイン
キャップバックデザインによる中空にすることで、SIMMAXまで採用してきたキャビティバックよりも、より高い飛距離と寛容性を生み出しています。
低重心設計
クラブの低重心化を徹底しているので、ストロングロフトにも関わらず直進性の高い高弾道を実現しています。
エコーダンピングシステム
ヒールからトウ側のヘッド内部全体に「エコーダンピングシステム」を搭載。インパクト時の衝撃を吸収して、よりフォージドアイアンのような打感を実現しています。
貫通型スピードポケット
テーラーメイドといったらこの貫通型スピードポケット。貫通型スピードポケットによりフェース下部の反発力を増やすことができます。
中空アイアンの特徴
中空アイアンは日本発祥の形状です。
中空アイアンはヘッド内部に空洞を作り、中に打感を良くする充填材や飛距離と寛容性を高めるウェイトを入れたアイアンです。
他の形状と比べ最新の技術が多く搭載されているので、比較的値段が高くなるのがデメリットですが、打ちやすさ・寛容性・弾道が高い形状となっています。
中空の技術向上により、高性能なアイアンを作ることが可能になってきたため、初心者~中級者はもちろん、上級者の方にも人気の形状です。
ソール幅
ソール幅 | 寛容性 | ダフリ | 抜け |
狭い | |||
少し広い | |||
広い |
SIM2MAXアイアンのソール幅は広いので、ダフリやトップ等のミスショットに強く、飛距離性能が高いです。
スイートスポットも広くボールも上がりやすいので、初心者~中級者の方におすすめの形状となっています。
トップブレード
トップブレード | 寛容性 | 操作性 | 構えやすさ |
薄い | |||
少し厚い | |||
厚い |
SIM2MAXアイアンのトップブレードは厚いので、構えた時に安心感がありやさしく感じます。
飛距離性能と直進性が高く、打点が少しズレても安定した弾道で飛んでくれるので寛容性が高いです。
グースネック
ネック | つかまり | 直進性 | 操作性 |
ストレート | |||
グース |
フェース プログレッション | つかまり | 操作性 | 弾道の高さ |
大きい | |||
小さい |
- フェースプログレッション:シャフトの中心線からクラブのリーディングエッジまでの長さ
SIM2MAXアイアンはグースネックでフェースプログレッションも小さいので、つかまりが良いアイアンとなっています。
つかまりが良いので、スライス改善にもなり直進性が高いです。
ストレートネックと比べ操作性は劣りますが、高弾道で直進性の高いボールを打つことができます。
クラブ重量の選び方
ゴルフクラブのセッティングで重要になってくるのがクラブの重量フローです。基本的な選び方として以下の表を参考にしてください。
※表のヘッドスピードはドライバーを振った時のヘッドスピードです
推奨HS | ドライバー | FW | UT | アイアン | ウェッジ |
~35m/s | 40g~ | 40g~50g | 60g~ | 75g~ | 75g~85g |
35m/s~ | 45g~ | 45g~50g | 65g~ | 80g~ | 80g~90g |
40m/s~ | 50g~ | 50g~60g | 70g~ | 90g~ | 90g~100g |
45m/s~ | 60g~ | 60g~70g | 80g~ | 100g~ | 100g~110g |
50m/s~ | 70g~ | 70g~80g | 90g~ | 110g~ | 110g~120g |
ドライバーが一番軽く、フェアウェイウッド→ユーティリティ→アイアン→ウェッジと重くなるセッティングが理想です。
SIM2MAXアイアンで採用されている2本のシャフトで比較すると以下になります。
シャフト | 硬さ | 重量 | 対象HS |
TENSEI BLUE TM60 (’21) | S/R | 50g台 | 35m/s ~40m/s |
KBS MAX MT85 JP | S/R | 90g台 | 40m/s~ |
力が弱くなってきた方やヘッドスピードが遅くなってきた方にはカーボンシャフトのTENSEI BLUE TM60 (’21)、平均的な男性ゴルファーにはスチールシャフトのKBS MAX MT85 JPがおすすめです。
クラブの硬さの選び方
クラブの硬さは重量で選ぶと選びやすいです。
- ヘッドスピード35m/s~:シャフト重量80gに近いシャフトの硬さ
- ヘッドスピード40m/s~:シャフト重量90gに近いシャフトの硬さ
- ヘッドスピード45m/s~:シャフト重量100gに近いシャフトの硬さ
- ヘッドスピード50m/s~:シャフト重量110gに近いシャフトの硬さ
まずはカタログスペックのシャフト重量を確認して、シャフトの硬さを選ぶのがおすすめです。
自身のヘッドスピードを計測→重量→硬さを選ぶような流れで決めていきましょう。
SIM2MAXアイアンのシャフトで選ぶと以下になります。
HS | シャフト | 硬さ | 重量 |
35m/s~ | TENSEI BLUE TM60 (’21) | S/R | 54g/59g |
40m/s~ | KBS MAX MT85 JP | S/R | 91g/93g |
45m/s~ | KBS MAX MT85 JP | S/R | 91g/93g |
SIM2MAXアイアンの場合、SとRで2g~5g程度の差なので、持った感じそこまで違う感じはしないはずです。
このような場合は試打をして感触を確かめるのが一番ですが、試打が面倒くさい方は現在使用しているアイアンのシャフトの硬さ・トルクを調べて選んでみてください。
トルクの選び方
トルクはクラブの「ねじれ」を意味しており、値が大きいほどねじれやすく、値が小さいほどねじれにくいシャフトとなります。
トルクが大きいクラブはクラブのフェースターンが増えて自然とボールがつかまりやすくなるので、初心者の方やスライスに悩んでいる方におすすめです。
一方、トルクが小さいクラブはフェースターンが少ないので、ドローやスライスなど球筋を打ち分けたい方、ヘッドスピードが速い方などのハードヒッターにおすすめです。
SIM2MAXアイアンのトルク値で比較すると以下になります。
シャフト | トルク | HS | トップ のタメ | つかまり | フック改善 | スライス改善 | 操作性 |
TENSEI BLUE TM60 (’21) | 2.9/3.1 | 遅い | 強 | ||||
KBS MAX MT85 JP | 1.8/1.9 | 普通 速い | 弱 |
※トルク値:1.5~1.9(小) 2.0~2.5(中) トルク2.5~(大)
クラブの調子・バランスの選び方
シャフトの調子(キックポイント)は大きく分けて先調子・中調子・元調子の3種類あります。
つかまりが良く飛距離が欲しい方は先調子、操作性が欲しい方は元調子、平均的な機能が欲しい方は中調子がおすすめです。
また、スライスに悩んでいる方(右方向へのミス)は先調子、ドローに悩んでいる方(左方向へのミス)は元調子といった選び方もあります。
調子 | キック ポイント | つかまり | 飛距離 | 弾道の 高さ | 操作性 |
先調子 | 先端 | ||||
中調子 | 中央 | ||||
元調子 | 手元 |
- 先調子:インパクト時にヘッドが走るので球がつかまり飛距離が一番でやすく高弾道になりやすい。
- 中調子:先調子と元調子の中間性能。安定感があり万人向けの万能調子。
- 元調子:スイングの切り返し時にタメが作りやすく、インパクト時にヘッドのしなりが少ないので操作性が高い。
TENSEI BLUE TM60 (’21)は中調子、KBS MAX MT85 JPは先中調子となっているので、比較的つかまりが良く高弾道になりやすいといえます。
バランスは、クラブをスイングをした際のヘッドの重さの感じ方を数値化したものです。
C5 | C4 | C3 | C2 | C1 | D0 | D1 | D2 | D3 | D4 | D5 |
C5がスイングした時に一番軽く、D5が一番重く感じます。各クラブのバランスがバラバラだと振り心地が異なるので、理想はドライバーからアイアンまで同じバランス値にすることです。
バランスが軽いほど重く感じないのでスイングを速くできる一方、スイングがゆっくりの方はクラブの重さを感じにくいのでスイングしづらくなることもあります。また、軽いと手打ちになりやすい弊害もあるので軽すぎるのも注意が必要です。
市販で販売されているクラブはD0~D5までが多いので、もっと振り心地を軽くしたい場合は鉛やグリップを重くしたりすることで調整しましょう。バランスを正確に調整したい時は近くのゴルフショップに持ち込むと調整してくれるのでおすすめです。
どちらも初心者~中級者向けアイアンで、飛距離性能・寛容性・直進性が高いアイアンとなっています。
大きな違いは「ヘッドの大きさ」「ロフト角」「クラブ重量・バランス」の三つです。
- 構えた感じヘッドの大きさが気になる方はSIM2MAX
- より飛距離性能を求める方はSIM2MAXOS
- クラブ重量が軽いほうが良い方はSIM2MAXOS
試打するのが一番ですが、上記のように選ぶこともできます。
どちらのクラブを選んでも満足度は高いので安心して選んでください。
SIM2MAXアイアンのロフト角から算出した飛距離の目安が以下の表になります。あくまでも計算上の飛距離なので参考程度にしてください。
自身のドライバー飛距離またはヘッドスピードに合った欄が想定飛距離となります。
※飛距離はキャリー計算となります
番手 | 5I | 6I | 7I | 8I | 9I | PW | AW | SW |
ロフト角 | 21.5 | 25 | 28.5 | 32.5 | 38 | 43.5 | 49 | 54 |
260ヤード HS47m/s | 197y | 187y | 176y | 164y | 148y | 131y | 115y | 100y |
240ヤード HS43m/s | 183y | 174y | 164y | 152y | 136y | 119y | 103y | 88y |
220ヤード HS40m/s | 171y | 162y | 152y | 140y | 124y | 107y | 91y | 76y |
200ヤード HS36m/s | 158y | 149y | 140y | 128y | 112y | 95y | 79y | 64y |
- 7番アイアン(ロフト28.5度)
- KBS MAX MT85 JP(シャフトS)
- ユピテルのゴルフスイングトレーナー「GST-7BLE」を使用して計測
- 飛距離はキャリー計算
- 練習場のレンジボールを使用
- 打者スペック(身長178cm/78kg/握力右55kg左60kg)
複数試打した平均値の結果となります。
ユピテルのデータで平均180ヤード以上飛んでいたので飛距離性能は十分です。前作のSIMMAXより若干ボールが強い感じでした。
中空アイアンになったおかげか、打点がズレても縦距離のズレは少なく、高弾道で飛んでくれました。
球筋は真っすぐ高弾道です。払い打ちでも問題なく高さができるので、スピン量が少なくても高さで止めることができそうです。
飛距離【4.8】
飛距離性能は十分です。直進性が高い高弾道で飛んでくれます。
寛容性【4.8】
スイートスポットが広く打点がずれても安定した弾道で飛んでくれます。
中空となったおかげか、前作のSIMMAXよりも寛容性は高いと感じました。
フェースも大きくソール幅も広く設定されているので、ミスに強いやさしいアイアンとなっています。
操作性【3.0】
ボールをドロー、フェードと打ち分けるのは難しかったです。SIM2MAXは真っすぐ高弾道で飛ばすのが得意なアイアンですね。
構えやすさ【4.0】
ヘッドは大きめですがトップブレードの厚さも適度で構えやすいです。
つかまり【4.5】
テーラーメイドの飛び系カテゴリーのアイアンはとにかくつかまりが良いです。アイアンのつかまりを重視したい方はSIM2MAXアイアンを試してみてください。
打感【4.3】
前作のSIMMAXより打感は向上していますね。中空にしては打感は柔らかく打ってて気持ちいい打感でした。
ただ、やはり中空アイアンなので打感にこだわっている方が打つと納得はできないかもしれません。
- これからゴルフを始める初心者の方
- 飛距離が落ちてきた方
- 球が上がらなくなってきた方
- アイアンの直進性を上げたい方
- スライサーでスライス幅を減らしたい方
- 寛容性が高くやさしいアイアンを使いたい方
番手 | 1W | 3W | 5W | 7W/4U | 5I | 6I | 7I | 8I | 9I | PW | AW | AW | SW |
ロフト角 | 10.5 | 15 | 18 | 21/22 | 21.5 | 25 | 28.5 | 32.5 | 38 | 43.5 | 49 | 54 | 58 |
- ドライバー:SIM2MAX
- フェアウェイウッド(3W・5W・7W):SIM2MAX
- ユーティリティ(4U):SIM2MAX
- アイアン(5I~AW):SIM2MAX
- ウエッジ(58):ミルドグラインド3 or ハイ・トウ ロウ ウェッジ
シャフト | HS 35m/s~ | HS 40m/s~ | HS 45m/s~ |
TENSEI BLUE TM60 (’21) | |||
KBS MAX MT85 JP |
- 高弾道で飛ぶ
- 寛容性が高くスイートスポットが広い
- ミスショットを助けてくれる
- スピン量が少ない
- ドロー、フェードと操作するのが難しい
テーラーメイドの初心者~中級者向けアイアンは出来が良く本当におすすめです。
ストロングロフトでも高弾道で直進性の高い球を、これだけ簡単に打てるクラブはなかなかないです。
実際のラウンドでも多少のミスは全てカバーしてくれるので、安定したプレーを楽しむことができるクラブとなってます。
飛び系アイアン特有の飛びすぎてしまう問題はありますが、それ以上にこのSIM2MAXアイアンは出来が良いです。
これからゴルフを始める方、距離が少し落ちてきた方、ラウンド中のミスショットが気になり始めた方はぜひ試してみてください。
ゴルフが簡単になりますよ。