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今回は2020年9月11日発売のテーラーメイドP770アイアンの紹介をしていきます。
P770アイアン(2020)は人気の中空アイアンで、バックフェースもマッスルバックのような美しいアイアンです。P790(2019)の技術を継承していますが、ロフト角は寝てフェースは少しシャープなっており、きちんと差別化されています。
結論、初級者から中級者の方におすすめできるアイアンでした。デザインもかっこよく所有感を満たしてくれるアイアンに仕上がっています。
P770アイアン(2020)のスペック・試打・評価を見て参考にしてみてください。
<P770アイアン(2020)の評価>
シャフト | HS 35m/s~ | HS 40m/s~ | HS 45m/s~ |
MODUS3 TOUR105 | |||
DG EX TOUR ISSUE |
- シャープなデザイン
- 寛容性が高くスイートスポットが広い
- 縦距離が安定する
- 価格が高い
- バックフェースに傷が付きやすい
- 軽量シャフトが用意されていない
詳細情報
DG EX TOUR ISSUE | MODUS3 TOUR105 | |
クラブ重量(g)※5I | 432 | 411 |
シャフト重量(g) | 131 | 106.5 |
硬さ | S | S |
調子 | 元 | 元 |
バランス | D2 | D2 |
トルク | – | 1.7 |
番手 | 3I | 4I | 5I | 6I | 7I | 8I | 9I | PW |
ロフト角(°) | 19.5 | 22.5 | 25.5 | 29 | 33 | 37 | 41.5 | 46 |
ライ角(°) | 60.5 | 61 | 61.5 | 62 | 62.5 | 63 | 63.5 | 64 |
長さ(インチ) | 39 | 38.5 | 38 | 37.5 | 37 | 36.5 | 36 | 35.75 |
シャフト | HS 35m/s~ | HS 40m/s~ | HS 45m/s~ |
MODUS3 TOUR105 | |||
DG EX TOUR ISSUE |
P770の7Iのロフト角は33度で標準ロフトとなっています。
ライ角、クラブの長さは他のクラブと比較しても大きな差はないです。
モデル | 3I | 4I | 5I | 6I | 7I | 8I | 9I | PW | AW | SW |
P7MB | 21 | 24 | 27 | 31 | 35 | 39 | 43 | 47 | – | – |
P7MC | 20 | 23 | 26 | 30 | 34 | 38 | 42.5 | 47 | – | – |
P790(2021) | 19 | 21 | 23.5 | 26.5 | 30.5 | 35 | 40 | 45 | – | – |
P770(2020) | 19.5 | 22.5 | 25.5 | 29 | 33 | 37 | 41.5 | 46 | – | – |
ステルス | – | – | 21 | 24 | 28 | 32 | 37 | 43 | 49 | 54 |
SIM2MAX | – | – | 21.5 | 25 | 28.5 | 32.5 | 38 | 43.5 | 49 | 54 |
SIM2MAXOS | – | – | 19 | 22.5 | 25.5 | 30.5 | 35.5 | 41 | 47 | 53 |
SIMMAX | – | 19 | 21.5 | 25 | 28.5 | 32.5 | 38 | 43 | 49 | 54 |
SIMMAXOS | – | 17 | 19 | 22.5 | 26 | 30.5 | 35.5 | 41 | 47 | 53 |
SIMグローレ | – | – | 21 | 24 | 27 | 31.5 | 36 | 41 | 47 | 54 |
M6 | – | 19 | 21.5 | 25 | 28.5 | 33 | 38 | 43.5 | 49 | 54 |
M4 | – | – | 21.5 | 25 | 28.5 | 33 | 38 | 43.5 | 49 | 54 |
シャフトはDynamic Gold EX TOUR ISSUE、N.S.PRO MODUS3 TOUR105のスチール2本がラインナップ。
グリップはゴルフプライドのツアーベルベット360が標準設定されています。
テクノロジー
中空構造
P770アイアンは中空でL型ICTフォージドフェース構造により高い飛距離性能と寛容性が実現。ヘッド内部にはタングステンウェイトを搭載して低重心化しています。
SPEEDFOAM充填材
ヘッド内部に超軽量SPEEDFOAM充填剤が入れて音や打感を向上させています。
貫通型スピードポケット
テーラーメイドといったらこの貫通型スピードポケットです。貫通型スピードポケットによりフェース下部の反発力を増やすことができます。
プログレッシブICT
プログレッシブICT(インバーテッドコーンテクノロジー)では、ミスヒット時のボール初速の減少を抑えて飛距離のバラつきを抑える効果があります。プログレッシブICTは3番~7番アイアンまで搭載。
中空アイアンの特徴
中空アイアンは日本発祥の形状です。
中空アイアンはヘッド内部に空洞を作り、中に打感を良くする充填材や飛距離と寛容性を高めるウェイトを入れたアイアンです。
他の形状と比べ最新の技術が多く搭載されているので、比較的値段が高くなるのがデメリットですが、打ちやすさ・寛容性・弾道が高い形状となっています。
中空の技術向上により、高性能なアイアンを作ることが可能になってきたため、初心者~中級者はもちろん、上級者の方にも人気の形状です。
ソール幅
ソール幅 | 寛容性 | ダフリ | 抜け |
狭い | |||
少し広い | |||
広い |
P770アイアン(2020)のソール幅は少し広いので、ダフリやトップ等のミスショットに強く、抜けが良いアイアンです。
スイートスポットも広くボールも上がりやすいため、初心者~中級者~上級者と万人向けするアイアンとなっています。
トップブレード
トップブレード | 寛容性 | 操作性 | 構えやすさ |
薄い | |||
少し厚い | |||
厚い |
P770アイアン(2020)のトップブレードは少し厚いので、構えた時に安心感がありやさしく感じられ、操作もしやすい顔になっています。
スイートスポットも広く、打点が少しズレても安定した弾道で飛んでくれるので寛容性が高いです。
ストレートネック
ネック | つかまり | 直進性 | 操作性 |
ストレート | |||
グース |
フェース プログレッション | つかまり | 操作性 | 弾道の高さ |
大きい | |||
小さい |
- フェースプログレッション:シャフトの中心線からクラブのリーディングエッジまでの長さ
P770アイアン(2020)はストレートネックでフェースプログレッションが大きく、球筋を操作しやすくなっています。
つかまりは程よく良いので、ドロー・フェードと打ちやすく弾道も高いです。
クラブ重量の選び方
ゴルフクラブのセッティングで重要になってくるのがクラブの重量フローです。基本的な選び方として以下の表を参考にしてください。
※表のヘッドスピードはドライバーを振った時のヘッドスピードです
推奨HS | ドライバー | FW | UT | アイアン | ウェッジ |
~35m/s | 40g~ | 40g~50g | 60g~ | 75g~ | 75g~85g |
35m/s~ | 45g~ | 45g~50g | 65g~ | 80g~ | 80g~90g |
40m/s~ | 50g~ | 50g~60g | 70g~ | 90g~ | 90g~100g |
45m/s~ | 60g~ | 60g~70g | 80g~ | 100g~ | 100g~110g |
50m/s~ | 70g~ | 70g~80g | 90g~ | 110g~ | 110g~120g |
ドライバーが一番軽く、フェアウェイウッド→ユーティリティ→アイアン→ウェッジと重くなるセッティングが理想です。
P770アイアンで採用されている2本のスチールシャフトで比較すると以下になります。
シャフト | 硬さ | 重量 | 対象HS |
MODUS3 TOUR105 | S | 100g台 | 40m/s~ |
Dynamic Gold EX TOUR ISSUE | S | 130g台 | 45m/s~ |
万人向けはN.S.PRO MODUS3 TOUR105、ヘッドスピードが速い方や定期的に身体鍛えている方、昔からDynamic Goldを使用している方はDynamic Gold EX TOUR ISSUEがおすすめです。
ゴルフ初心者の方やアマチュアゴルファーの方にはN.S.PRO MODUS3 TOUR105が合います。
クラブの硬さの選び方
クラブの硬さは重量で選ぶと選びやすいです。
- ヘッドスピード35m/s~:シャフト重量80gに近いシャフトの硬さ
- ヘッドスピード40m/s~:シャフト重量90gに近いシャフトの硬さ
- ヘッドスピード45m/s~:シャフト重量100gに近いシャフトの硬さ
- ヘッドスピード50m/s~:シャフト重量110gに近いシャフトの硬さ
まずはカタログスペックのシャフト重量を確認して、シャフトの硬さを選ぶのがおすすめです。
自身のヘッドスピードを計測→重量→硬さを選ぶような流れで決めていきましょう。
P770アイアンのシャフトで選ぶと以下になります。
HS | シャフト | 硬さ | 重量 |
40m/s~ | MODUS3 TOUR105 | S | 106.5g |
45m/s~ | Dynamic Gold EX TOUR ISSUE | S | 131g |
トルクの選び方
トルクはクラブの「ねじれ」を意味しており、値が大きいほどねじれやすく、値が小さいほどねじれにくいシャフトとなります。
トルクが大きいクラブはクラブのフェースターンが増えて自然とボールがつかまりやすくなるので、初心者の方やスライスに悩んでいる方におすすめです。
一方、トルクが小さいクラブはフェースターンが少ないので、ドローやスライスなど球筋を打ち分けたい方、ヘッドスピードが速い方などのハードヒッターにおすすめです。
P770アイアンのトルク値で比較すると以下になります。
シャフト | トルク | HS | トップ のタメ | つかまり | フック改善 | スライス改善 | 操作性 |
MODUS3 TOUR105 | 1.7 | 普通 速い | 弱 | ||||
DG EX TOUR ISSUE | – | 速い | 弱 |
※トルク値:1.5~1.9(小) 2.0~2.5(中) トルク2.5~(大)
クラブの調子・バランスの選び方
シャフトの調子(キックポイント)は大きく分けて先調子・中調子・元調子の3種類あります。
つかまりが良く飛距離が欲しい方は先調子、操作性が欲しい方は元調子、平均的な機能が欲しい方は中調子がおすすめです。
また、スライスに悩んでいる方(右方向へのミス)は先調子、ドローに悩んでいる方(左方向へのミス)は元調子といった選び方もあります。
調子 | キック ポイント | つかまり | 飛距離 | 弾道の 高さ | 操作性 |
先調子 | 先端 | ||||
中調子 | 中央 | ||||
元調子 | 手元 |
- 先調子:インパクト時にヘッドが走るので球がつかまり飛距離が一番でやすく高弾道になりやすい。
- 中調子:先調子と元調子の中間性能。安定感があり万人向けの万能調子。
- 元調子:スイングの切り返し時にタメが作りやすく、インパクト時にヘッドのしなりが少ないので操作性が高い。
MODUS3 TOUR105、DG EX TOUR ISSUE共に元調子なので、操作性が高いシャフトとなっています。
バランスは、クラブをスイングをした際のヘッドの重さの感じ方を数値化したものです。
C5 | C4 | C3 | C2 | C1 | D0 | D1 | D2 | D3 | D4 | D5 |
C5がスイングした時に一番軽く、D5が一番重く感じます。各クラブのバランスがバラバラだと振り心地が異なるので、理想はドライバーからアイアンまで同じバランス値にすることです。
バランスが軽いほど重く感じないのでスイングを速くできる一方、スイングがゆっくりの方はクラブの重さを感じにくいのでスイングしづらくなることもあります。また、軽いと手打ちになりやすい弊害もあるので軽すぎるのも注意が必要です。
市販で販売されているクラブはD0~D5までが多いので、もっと振り心地を軽くしたい場合は鉛やグリップを重くしたりすることで調整しましょう。バランスを正確に調整したい時は近くのゴルフショップに持ち込むと調整してくれるのでおすすめです。
P770アイアンのロフト角から算出した飛距離の目安が以下の表になります。あくまでも計算上の飛距離なので参考程度にしてください。
自身のドライバー飛距離またはヘッドスピードに合った欄が想定飛距離となります。
※飛距離はキャリー計算となります
番手 | 3I | 4I | 5I | 6I | 7I | 8I | 9I | PW |
ロフト角 | 19.5 | 22.5 | 25.5 | 29 | 33 | 37 | 41.5 | 46 |
260ヤード HS47m/s | 202y | 193y | 184y | 174y | 162y | 150y | 136y | 123y |
240ヤード HS43m/s | 187y | 179y | 170y | 161y | 150y | 138y | 124y | 111y |
220ヤード HS40m/s | 175y | 167y | 158y | 149y | 138y | 126y | 112y | 99y |
200ヤード HS36m/s | 159y | 152y | 144y | 136y | 126y | 114y | 100y | 87y |
- 7番アイアン(ロフト33度)
- Dynamic Gold EX TOUR ISSUE(シャフトS)
- ユピテルのゴルフスイングトレーナー「GST-7BLE」を使用して計測
- 飛距離はキャリー計算
- 練習場のレンジボールを使用
- 打者スペック(身長178cm/78kg/握力右55kg左60kg)
複数試打した結果となります。ロフト33度でそこまで飛距離は出ないかなと思ってましたが、思った以上に飛距離は出てました。
スイートスポットも広いので少し打点がずれても縦距離が大きくブレることがなかったです。ミート率が低くても縦距離が安定します。
明らかなミスショット時、きちんと飛距離が落ちてくれるので、大きなミスにつながりにくいクラブだと感じました。
飛距離【3.5】
試打結果からも、標準的なロフト角なのでそこまで飛ぶアイアンではないです。ロフトなりより少し飛ぶ程度と思ってもらったほうがいいです。
P770より飛距離が欲しい方はロフト角が立っているP790がおすすめです。
寛容性【4.5】
スイートスポットが広く打点がずれても安定した弾道で飛んでくれます。ソール幅も広く設定されているので、ミスに強いやさしいアイアンとなっています。
大きくミスした時はマッスルバックのようにきちんと飛距離を抑えてくれるアイアンです。
フェース面が少しシャープになっているので、飛び系アイアンなどのデカヘッドよりは寛容性は劣ります。
操作性【4.0】
ドロー、フェードとしっかり打ち分けることが可能です。
フェース面も小ぶりなのでインパクト時のイメージもしやすく操作しやすいアイアンとなっています。
直進性も高く、試打の時は真っすぐまたは少しフェードがかかるような球筋でした。持ち球がフェードの方には弾道がイメージしやすいアイアンといえます。
構えやすさ【4.5】
ヘッドが大きすぎず小さすぎずちょうどいい感じです。
上からの見た目もマッスルバックより幅があるので、構えた感じ安心感があります。
つかまり【4.0】
ほどほどにつかまってくれるので打ちやすいです。左への引っ掛け気味の球筋は試打ではなく、基本は少しフェードがかかるような球筋でした。
打感【4.0】
中空アイアンだと打感がちょっと…と思われる方もいますが、中に入っているSPEEDFOAM充填材のおかげか、意外と打感が柔らかくて好きでした。
zx7やT100アイアンなどと比べると打感は劣りますが、中空アイアンとしては打感は最高クラスです。
- 縦距離を合わせたい方
- マッスルバック、キャビティよりもやさしいアイアンを使いたい方
- ドロー、フェードと球筋を操りたい方
- カッコイイ外観のアイアンを使いたい方
- 他の人と被りにくく所有感を満たしたい方
番手 | 1W | 3W | 5W | 7W/4U/4I | 5I | 6I | 7I | 8I | 9I | PW | AW | AW | SW |
ロフト角 | 10.5 | 15 | 18 | 21/22/22.5 | 25.5 | 29 | 33 | 37 | 41.5 | 46 | 50 | 54 | 58 |
- ドライバー:SIM2 MAX
- フェアウェイウッド(3W・5W・7W):SIM2 MAX
- ユーティリティ(4U):SIM2 MAX
- アイアン(4I~PW):P770
- ウエッジ(50/54/58):ミルドグラインド3 or ハイ・トウ ロウ ウェッジ
1W・3W・5W・5I~PW・50/54/58はスターティングメンバ―で、7W・4U・4Iはその日のコンディション、または得意・不得意で構成変更するようなセッティング例です。
ウェッジを52/58とした場合は一本追加できるので、4Iを入れて7W・4Uを選択制にするセッティングもおすすめです。
P770は寛容性・方向性が高いアイアンなので、難しいと4番、5番のロングアイアンもセッティングに入れることが可能になります。
また、ロングアイアンのみP770を入れてミドルアイアン以降をP7MCやP7MBなどを入れるコンボセッティングもおすすめです。
シャフト | HS 35m/s~ | HS 40m/s~ | HS 45m/s~ |
MODUS3 TOUR105 | |||
DG EX TOUR ISSUE |
- シャープなデザイン
- 寛容性が高くスイートスポットが広い
- 縦距離が安定する
- 価格が高い
- バックフェースに傷が付きやすい
- 軽量シャフトが用意されていない
価格の問題を抜きにすれば、中空アイアンとして完成度が高いおすすめのアイアンです。
ヘッドの中にSPEEDFOAM充填材を入れているなど、構造上価格が高くなるのはしょうがないですが、もう少し安くなってくれるといいですね。
P770より飛距離を求める方はP790(2019)のほうがおすすめです。それ以外の点では確実に進化しているP770アイアンを選んだほうが満足度が高いと感じました。
外観もマッスルバックのようでカッコよく、所有感を満たせるアイアンとなっています。
これからアイアンの検討をされている方は総合力・満足度が高いP770アイアンをぜひ候補に入れてみてください。